治療しにくい競技

トレーニングと治療の難しさの違い、意外にも一線でスポーツ指導に当たる者でも理解しにくい。 動きが良くなれば痛みが取れ、治ると勘違いする。

競技の特性によっても難しさは変わる。 レベル向上はどの競技も難しい。トレーニングも当然簡単なんて競技は無い。 治療も簡単という競技は無いが、より難しい競技はある。

相手とフルコンタクトする競技は特に難しい。どんなにこちらがこう動きたいと思っても、相手はそれを全力で阻止して来る。 柔道やレスリングはもとより、バレーボールとバスケットボールの違いは分かり易い。 要は不確定な要素が大きい競技順に難しい。 インドアよりアウトドア競技の方が、風・天候の影響を受けるように。

治しやすい競技があるという意味では無く、例えば膝が痛い、前十字靱帯を痛めたからと言って、どの競技も同じように治療やリハビリをする事など無いと言う事である。

患者は自分の症状に不安で、今の治療に不満でやって来る。 我々の仕事は治す事以前に、その気持ちを全力で受け止める事から始まる。  技術より知識より、まずは誠実さ。 治す側も患者側も選手側も、最も忘れてはならない。

お父さんお母さんも子供と一緒に聞いて欲しい。

毎週必ず子供・学生の新患さんがやって来る。 初診時ご両親が付き添っていた場合、必ず中に一緒に入ってもらって小一時間説明を聞いてもらい、治療を見てもらう。 場合によってはリハも一緒に体験してやってもらう。 

話を聞きに来たのか、話しをしに来たのか? 

相手の事を理解しよう、自分以外の人を大切に思おうとする気持ち。 自分の考えを一番に通しているのは如何なものか。 親御さんも一緒にリハをやってもらった時の顔が、子供本人より楽しそう嬉しそうな場合ほど、みるみる治る。 

勉強と学習の違い。 最近では多くのアスリートが専門書などを読み、専門の知識をつけている。 それらはあくまでも情報の範囲であり、知識には至らない。 辞書のコピぺになるが、知識とは経験または教育を通して人が獲得した専門的技能であり、専門家の意見に耳を傾けてこそ、そこで初めて知識となる。 

机上の理論とはよく言ったものだ。 そんな所の気持ちがきっと表情に表れるのだろう。 共に前へ。

患者に申し訳無いと思う事。

毎年必ず数名来てくれている、箱根駅伝を目指す大学生。 残念ながら小生の努力不足で、全員を箱根路走らせてあげるに至らない。 昨年も四年生最後一年間、診させてもらった男の子がいた。 二年生三年生と丸二年間、足が痛くジョグもままならない時期が続いたと言う。 その間、何軒もの病院・治療院を訪れた。 そして一時間近くも離れたところからウチを見つけ、足を運んでくれた。

たまたますぐ治せたから偉そうに言えるのだが、本当に今まで申し訳無い。 二年間も辛い思いをさせてしまって申し訳無い。 治療に当たる我々すべての人間の努力不足。 全員が全員、もっともっと頑張らなければならない。  昨日もある患者の男の子が悔しさに目に涙を浮かべていた。

肩揉み治療、お婆ちゃんの寄り集まり治療などしてはならぬ。 そもそもが医療・治療として論外であり、治らぬ患者はそれらに疑問を持つが、当事者の治す側の方が疑問を持たぬと言う事実。

先日も運動療法についてふれて書いたが、運動で治すのではなく、動けるように治すという事を最も忘れてはならぬのだ。 治療とケアに携わってきたこの三十年、これだけは一度も忘れた事は無い。 OTやPT、鍼灸師や柔整師のスタッフ達には常に言い続けている。

患者と向き合い、共に歩み、共に治す。 知識と理論で治るほど、世の中そんなに簡単ではないのである。

働く事が脳にも保護効果。

米国から、働き続けることは脳卒中を発症した後の脳の健康に良い影響を与える可能性があることを示唆する研究報告があった。

初めて脳卒中(軽度または中等度)を発症した65歳以下の成人患者252人を対象。(発症前に就労していた患者の割合は68.7%、発症から1年後の時点で復職していた患者の割合は60.4%) 分析によると、卒中発症前に無職だった患者では、発症前に就労していた患者と比べて発症から2年以内に認知機能が低下するリスクが3倍以上(320%)高く、神経症状や抑うつ症状の悪化、炎症マーカー上昇のリスクも高かった。

脳画像検査で大脳皮質や白質の容積の減少が認められる可能性や、2型糖尿病や高血圧がある可能性も、発症前に無職だった患者では就労していた患者と比べて高いことが分かった。 さらに、脳卒中を発症してから1年後の時点で復職していた患者も、無職だった患者と比べて認知機能が低下するリスクが低いことが明らかになったそうだ。

研究では、死亡率も認知機能が低下する割合も無職の患者で高いことが示されたと説明し、重要なのは、働き続けるということだと、研究チームは強調して説明していたそうである。

働き詰めなお父さんが仕事やめた途端に... なんて、確かに聞いた事がある。 社会とのかかわりって重要なのですね。

何故か毎年2月は膝関節

そうなんですよ、何故か毎年2月になると膝が痛いと言う患者さんが増えるのですよ。 寒いから?イヤイヤ、それがまた直接関係無さそうなのですわ。

転んだブツけた怪我外傷は極一部。 大半がずっと痛くて何故だかこの時期来院。他同業も同じナノカシラ??

寒さがゼロと言う事は無いが、誤魔化し続けた治療やケアが、いよいよ誤魔化しきれなくなったのが寒いこの時期なのか? いずれにせよ、原因は寒さ以前の問題。 寒くてすべて痛いなら、ウィンタースポーツ選手皆死んでるわ。

昨日の膝が痛い新患高校君、いゃ~良い子だった。皆良い子なのだけど、絶対良くしてあげる!と心底思う。 若い分だけ感情・感性が豊か。 治療にそれは大きな要因であり、特にスポーツでは感性は大きな武器となる。 その感性を生かせぬ治療は、真のスポーツ治療とは絶対言えぬ。

例えば体性感覚的に足首は前後方向、股関節は横方向の位置感に大きくかかわる。 その間に挟まる膝関節を診る時、やらねばならぬ事が自ずと見えてくる。 

やる事やれる事は山ほどある。 何もしてくれないとお嘆きなら、全力で診ますから!!

ぎっくり腰、今回で最後にしませんか?

やった事のある人しか分からない、あのぎっくり腰の辛さ。 もう二度と経験したくはありませんよね。

「毎年必ず一回ぎっくり腰していたのに、もう何年も腰痛くなっていないんだよね!」と言われるのが最高の褒め言葉。 それを目指して日々精進。

楽にする治療と治す治療、コレ根本から違うのです。 機械でも、ショートした部品を変えるだけで原因対処しなければまたショート。 それって部品だけの問題では無いですよね。他にも多因子多要因。 身体もそれと一緒。

筋肉や骨格の部品だけの問題では無いんです。 同じ過ちを繰り返さぬ為の対処が大切。 此れで最後に出来よう、一緒に治して行きましょう。

パパママ一緒に体重計

育ち盛り伸び盛りの子供たち、特にスポーツを熱心に取り組んでいる子供たちの日々の管理はとても重要。 分かっていても実際は難しい。

特に最近重要視されている食事、食育。 だからと言って難しい事からな始めるのではなく、簡単な事から、まずは意識、動機付けから。

ある医師の方がコラムで食べ過ぎ、体重管理で面白い事を書いていた。 

小生自身、もう5、6年入浴前に必ず体重計に乗り、記録をアプリにつけている。 当然体重計を置いているところは洗面台。 その体重計をちょっと面白い所に置いたおかげで、大きく減量に成功した人がいるという。 

ナンとそれが冷蔵庫の前!冷蔵庫を開ける前に体重計に乗って、本当に食べるかどうかを決めるのだそう。 子供と一緒にやったら面白そう。 お父さま方、ご自分のポッコリお腹の為にもこの連休、子供と一緒に冷蔵庫の前でやってみるのはいかがでしょうーか??(笑)

中学生、高校生だから今できるスポーツケアを。

今年に入り、新患の中高生率が高い。当然屋号柄、皆スポーツを熱心に取り組んでいる。そしてまたコレも当然どこかしら悪くてやって来る。

スポーツ・種目は様々だが、障害部位は圧倒的に膝。 しかもそのどれもが成長期痛だ、オスグッドだといわれて。 治らないからやって来るのだが、それ以上にその治療や診断に親も本人も納得せずやって来る。

そもそもが傷害ではなく障害。 外傷である訳も無いのに、やってる治療は転んで膝痛い患者とおんなじ治療。 いったいその治療にあたっている若いスタッフ君達は疑問に思わぬのか?!

現在ではそのオスグッドという診断名すら疑問符。 明敏なスポーツドクターほど使わぬ。 ましてや筋トレやストレッチで治そうなどと愚の骨頂。

運動で治すのではなく、動けるように治す。  運動療法の方向性を今一度見直してもらいたいものである。 今せねばならぬ事を今!だ。

治療とトレーニングの可逆性

いよいよ冬季オリンピックも開幕。 日本選手の方々には是非頑張ってもらいたい。

毎回オリンピックが近づくと、様々なスポーツ関係の情報が飛び込んでくる。 特に最近ではスポーツが以前にもまして科学的になり、一般人もそれらに興味を持つようになった。 興味を持つ事は小生的にも大変喜ばしい事ではあるのだが、またその弊害的な部分も見かける。

例えば画像、コンピューター等を使った動作や身体の解析。 確かに左右のアンバランスを整えるのは良い事であるのだが、アンバランスが見受けられたから原因がそれだと決めつけるのは早々。 選手は鍛える事で一歩でも前進できるだろうが、一般人はそうはいかぬ。まして痛みがあるのであれば鍛えれば治るなんて、そんな安直な問題では無い。 レントゲン撮って異常無いね、はい湿布!など典型例。 数十年変わらぬネタ的状況。

歪んでるなら歪んでる原因を、痛いなら痛い原因を考える。 歪んでるからボキッ、固いら原因この筋肉でマッサージは論外だ。 最近何人も来ている中学生の新患君達の方が、よっぽど良く分かっている。 目と耳と頭、よく見てよく聞いて、よく考えるのである。

一日一本のタバコでも心疾患。

1日1本のタバコであっても、喫煙は冠動脈疾患および脳卒中の発症リスクを予想以上に増大させ、心血管疾患の発症に害のない安全な喫煙レベルは存在せず、リスク低減には減煙では不十分であると言う報告が英国から。

タバコ、やめられない人は本当にやめられないですよねぇ~   以前何かで読んだことがある。 タバコが健康に及ぼす害を知らない人って世の中絶対いないのに、多くの人がタバコをやめられない。 だから理論や知識でタバコはやめられない。 交通事故もそう。 免許が無い人は運転しないし、みんな運転の技術も、交通ルールも身に付いている。 だから事故は技術と規則では無くならない。 モラルとマナーのせいで起きているのだからだと。

今回の研究報告によると、男性では1日1本の喫煙により、非喫煙者に比べ冠動脈疾患のリスクが48%、脳卒中のリスクは25%増加し、女性ではそれぞれ57%、31%増加したことが分かったそうで、研究者は「喫煙者は、これら2つの一般的な主要疾患のリスクを統計学的に有意に低減させるには、喫煙本数を減らすのではなく、喫煙を止めるべきである」としている。

これだけのデータを突き付けられても、やめれない人間はやめられない。 やはりモラルとマナーが、健康で平和な世の中には一番必要なのだろう。 難しい問題である。